―Rayさんが最初に歌手になりたいと感じたのはいつごろでしたか？

Ray　気がついたら歌っていたという感じなんですよ（笑）。親が言うには『（美少女戦士）セーラームーン』を簡単なコスプレをして、「おしおきよ！」ってやっていたんです（笑）。。それからずっと歌っていますね。歌がないと私じゃないっていう感じで。


―物心ついたころから自然と歌っていたと。では本格的に歌手を志す切っ掛けになったのは？

Ray　のど自慢とかカラオケ大会によく参加していたんですけど、小さい子供から年配の方まで幅広い年齢層の方が参加されているんですよね。その中で、「うわ、叶わない！」って思う方々はたくさんいらっしゃるんですけど……でも逆に、そんな方々に勝ったときの喜びが…（笑）。


―そのときのカタルシスが切っ掛けですか（笑）。

Ray　正直……何故かすごくスッキリするんですよ（笑）。でもいちばんの切っ掛けは、小学校3年生のときにジュニアのど自慢でゲスト賞をいただいた時かもしれません。ゲストの歌手の方からトロフィーをいただいて、そのあとゲストの方が歌うのを観て、「うわ?、私もあんなふうに歌いたい！」って思ったんだと思います。


―それから歌手をめざすようになったわけですね。ちなみに歌手をめざしていくなかで影響を受けたアーティストはいますか？

Ray　アニソンに出会う前はMISIAさんとか絢香さんとか、歌で聴かせるタイプの方が大好きで、自分でも歌ったりしていました。でも、アニソンを聴いてからは可愛い系とかカッコイイ系に入りましたね。切っ掛けになったのは水樹奈々さんです。ライブDVDでステージを観たときに度肝を抜かれて……


―そこからアニソンを聴き始めたんですね。

Ray　最近はアニソン、ボーカロイドしか聴いていないです。趣味に突っ走っています（笑）。1年ぐらい前にニコニコ動画を見て、「何これ可愛い！」ってなってそこからボカロ大好きになり、歌い手さんがアニソンを歌っているのを聴いてアニソンにもはまっていって・・・。


―ちなみに自己分析すると、自分はどんな性格だと思いますか？　カラオケ大会など積極的に出るとういことは人とうち解けやすい性格なのかなと。

Ray　そうですね……た、ぶん……（笑）。でもすごい人見知りなんですよ。自分から突っ込んでいけなくて、話しかけてもらうまで目線でちらっちらって待っているタイプです（笑）。でも趣味が合うと思ったら自分から行けるタイプです。好きなアニメの話題になると、「好きなんですか？」って（笑）。


―ではデビュー・シングルについておうかがいします。デビュー曲の「sign」はアニメ『あの夏で待ってる』のオープニング・テーマとなりましたが、アニソンを歌うと聞いたときはいかがでしたか？

Ray　聞いた瞬間、家でやばかったです（笑）。アニソンを聴き始めていたので、私のことを応援してくれていた母親と「うわー！　アニソンだよどうする！？」ってプチパニックです（笑）。


―また作詞をKOTOKOさん、作曲を折戸伸治さん、編曲を高瀬一矢さんという豪華作家陣での曲となったわけですが……。

Ray　すごく失礼な話なんですが、私まだそんなにアニソンに詳しくなかったので、I’ve（高瀬一矢所属の音楽集団。）も聴き込んでなかったんですよね。で、KOTOKOさんや高瀬さんのことを調べていたんですけど、調べている途中で怖くなって（笑）。「私、これ以上見れない！」って（笑）。


―知れば知るほどプレッシャーが（笑）。

Ray　そのときのテンションはおかしかったですね。「うわあ?！」って（笑）。周りから「すごいんだよ！」って言われて調べたんですけど、調べた結果が……。


―「うわあー！」って（笑）。でもそう感じられることが、デビューへの実感に変わっていくわけですよね。

Ray　もうあの……はい（笑）。


―確かにプレッシャーを感じるビッグ・ネームですしね。10年前にリリースされた、KOTOKOさんの超名曲「Shooting Star」と同じ布陣ですし。さて、『あの夏で待ってる』のオープニングを、またアニソンを歌うということで最初にどう歌おう考えられましたか？

Ray　やっぱりアニメ作品のイメージは壊したくないですね。
また、歌詞もしっかり読み込んで自分なりに表現したつもりで……。まだ初めてのことばっかりなので不安なんですけど、とにかく作品のイメージは崩したくないというのが第一ですね。


―実際のレコーディングではいかがでしたか？　レコーディングも初だと思いますが。

Ray　レコーディング中は高瀬さんにいろいろアドバイスをいただきつつ。緊張していたりすると、高瀬さんが場を和ませてくれたり。


―なるほど。その「sign」なんですが、Rayさんの澄んだボーカルが素晴らしいなと。ご自身としては今回の歌唱についてはいかがでしたか？

Ray　今回は今までとは違う歌い方だったので、不安が大きくて、「大丈夫かな、上手くできているかな」っていう気持ちが強かったですね。いろいろ歌い方変えて録ってみたんですけど、最終的には自分でも納得できるかたちになりました。でもまだ勉強不足で、また同じ歌い方をしろと言われてもできないかもしれません。自分でも掴めていないところも正直あったりして・・・。


―ああ、今は新しい自分の歌唱というものを模索しつつ、それをものにしようとする時間なんですね。

Ray　そのときには高瀬さんにアドバイスをもらいつつ結果を出せたんですけど、いざ家で同じことをやろうと思ってもなかなか上手くできなかったりして。同じような声なんですけど同じではないという。自分の声でもっと研究を重ねないと駄目だなとは思っています。


―では最後に、「sign」が披露される前で気が早いかもしれないですが、今後やってみたいことがありましたら。

Ray　今回は色で言うと白っぽいイメージじゃないですか。だから、それを裏返して黒というか、強気のイメージもいつか出してみたいですね。


―そういうRayさんもいつか聴いてみたいですね！
Ray　ガツンとロックというか、“黒Ray”みたいな（笑）。

インタビュー＆テキスト：澄川龍一（リスアニ）