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「MAON KUROSAKI Christmas live 2018~The Gift~」ライブレポート公開
三連休の最終日となった2018年12月24日、街中がイルミネーションに彩られ、どこか幸福な雰囲気に満ちたクリスマスイブの夜に、黒崎真音からファンへの最高のギフトが届けられた。それは彼女のワンマンライブ「MAON KUROSAKI Christmas live 2018~The Gift~」。ミュージカルや舞台なども多く行われるTBS赤坂ACTシアター(東京)を会場に繰り広げられた、クリスマスならではの多彩な趣向を凝らしたステージは、彼女のファンに対する溢れんばかりの愛と感謝の気持ちが詰まった公演となった。
開演前から様々なクリスマスソングがBGMとして流され、ハートウォーミングなムードに包まれた会場。照明が落ちて、まずはクリスマス・キャロルを代表するナンバー「We Wish You A Merry Christmas」のアレンジ版をSEにバンドメンバーがスタンバイすると、「メモリーズ・ラスト」のイントロと同時に純白のドレス衣装を着た黒崎が「メリークリスマス!」と勢いよく登場。お客さんも大歓声で彼女を迎え、初っ端から大きな盛り上がりを見せる。2番サビでは黒崎が「みんな一緒に歌って!」と呼びかけて大合唱となり、ラスサビでも〈忘れないで 季節が 巻き戻されても〉というフレーズに続けて「今日はみんなで忘れられない一夜にしようね!」と、この日のライブにかけた思いを歌詞の内容に合わせて伝える。
開演前から様々なクリスマスソングがBGMとして流され、ハートウォーミングなムードに包まれた会場。照明が落ちて、まずはクリスマス・キャロルを代表するナンバー「We Wish You A Merry Christmas」のアレンジ版をSEにバンドメンバーがスタンバイすると、「メモリーズ・ラスト」のイントロと同時に純白のドレス衣装を着た黒崎が「メリークリスマス!」と勢いよく登場。お客さんも大歓声で彼女を迎え、初っ端から大きな盛り上がりを見せる。2番サビでは黒崎が「みんな一緒に歌って!」と呼びかけて大合唱となり、ラスサビでも〈忘れないで 季節が 巻き戻されても〉というフレーズに続けて「今日はみんなで忘れられない一夜にしようね!」と、この日のライブにかけた思いを歌詞の内容に合わせて伝える。
続けてドラマティック極まりないロックチューン「楽園の翼」で会場の熱気をさらに高めると、紫色のライトがどこか幻想的な光景を生むなか「Ignis memory」へ。この日のライブには森本安弘(バイオリン)がサポートで参加しており、その美しい旋律が同曲の麗しくも劇的なサウンドにさらなる深みを与える。黒崎自身も歌声はもちろん、切々とした手の振りなど視覚面でも楽曲の世界観を表現していく。
MCでの「どんどん突っ走っていこうと思ってるので、みなさんぜひついてきてください!」という宣言通り、彼女は足を開いた力強いスタンスから熱い歌声を迸らせた「刹那の果実」、カッコよさとかわいらしさが融合したヘヴィーなロックンロール「Candy☆Evolution」と人気のナンバーを畳みかけ、客席からは怒号のような大合唱が巻き起こって早くもパーティーさながらの賑わいに。バンマスの宮崎京一(ギター)、目黒郁也(ベース)、新メンバーの324(ギター)もステージ前に乗り出して、ワイルドな演奏の応酬で会場をロックする。
ここで時計の針が回る音のSEが流れ出し、星形のライトが煌めくなか歌われたのは、彼女のデビュー作『H.O.T.D.』(2010年)に収められていた80年代アイドルソング風のロマンチックなミディアム「宝石のスパイ」。ライブで披露されるのは珍しいこの曲で、彼女はなんと客席に降り立ち、1階席を隅々までゆっくりと巡りながら歌っていく。時にお客さんと触れ合い、笑顔でうれしそうに歌う彼女の姿は、真っ白な衣装のイメージも手伝って、まるで客席に舞い降りた天使のよう。ファンにとっても最高のクリスマスプレゼントだったのではないだろうか。
MCでの「どんどん突っ走っていこうと思ってるので、みなさんぜひついてきてください!」という宣言通り、彼女は足を開いた力強いスタンスから熱い歌声を迸らせた「刹那の果実」、カッコよさとかわいらしさが融合したヘヴィーなロックンロール「Candy☆Evolution」と人気のナンバーを畳みかけ、客席からは怒号のような大合唱が巻き起こって早くもパーティーさながらの賑わいに。バンマスの宮崎京一(ギター)、目黒郁也(ベース)、新メンバーの324(ギター)もステージ前に乗り出して、ワイルドな演奏の応酬で会場をロックする。
ここで時計の針が回る音のSEが流れ出し、星形のライトが煌めくなか歌われたのは、彼女のデビュー作『H.O.T.D.』(2010年)に収められていた80年代アイドルソング風のロマンチックなミディアム「宝石のスパイ」。ライブで披露されるのは珍しいこの曲で、彼女はなんと客席に降り立ち、1階席を隅々までゆっくりと巡りながら歌っていく。時にお客さんと触れ合い、笑顔でうれしそうに歌う彼女の姿は、真っ白な衣装のイメージも手伝って、まるで客席に舞い降りた天使のよう。ファンにとっても最高のクリスマスプレゼントだったのではないだろうか。
ホール会場でのライブはデビュー5周年記念の舞浜アンフィシアター公演(2015年9月)以来ということもあり、今回は客席に降りてみたかったという彼女。2階席までは行けなかったことを謝りつつ、「今度は2Fから飛び出るようなことができるぐらい大きくなれたら」と、野望を覗かせる。そしてここでもう一つのうれしい贈り物として、新曲「幻想の輪舞」がライブ初披露されることに。『グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION』のオープニングテーマとなるこの楽曲、同じく『グリザイア』シリーズのテーマ曲だった「楽園の翼」や「刹那の果実」と同様に凛々しくも勇ましいアップに仕上がっており、フル尺で聴ける初の機会ということもあってファンも熱狂。彼女の新しい代表曲になることは間違いないだろう。
そしてここからはコンテンポラリーダンスの要素を取り入れたパートへ。哀感たっぷりのギターをイントロに始まった「lily」では、ステージの両サイドから二人のダンサーが登場し、黒崎は時に彼女たちと動きを合わせたり、あるいはステージ前方にうずくまって慟哭のように重く深い歌声を響かせながら、楽曲の世界観を構築していく。続くバラード「種」で黒崎はステップの最上段へと上がり、ステージにはひとりの女性ダンサーが登場。緩急の効いたダンスで楽曲の歌詞や歌に込められた感情に寄り添い、表現していく姿からは、爆発的な生命力が感じられる。最後はステージに降り立った黒崎とダンサーが手を取り合い、歌詞で描かれている〈あなた〉への思いを形にしてみせた。
さらに「Just Believe.」では、女性ダンサーに加えて男性ダンサーがステージに現れ、互いの関係性を深めていく様子がバレエのごとく優雅なダンスによって表現されていく。最初はおびえていた様子の女性が、男性のやさしいエスコートによって少しずつ心を開いていき、時に離れるそぶりを見せながらも、最終的には手を取り合うことに。ラストは手を繋いで一緒にステップを上がり、ステージから去っていく。それは闇の中で希望を見出し、〈君がいる世界〉を〈もう二度と離さない〉と歌う「Just Believe.」の詞世界を拡張するものであり、近年はミュージカルや演技の経験を活かしてステージ演出などに取り入れてきた黒崎らしい、新たな挑戦だったのではないだろうか。
ここで黒崎は一旦退場し、舞台のセットはクリスマス仕様のフォーマルなものから、どこか厳かでロックな雰囲気にチェンジ。再度登場した黒崎もスカートの部分が身軽になってより動きやすそうな格好にお色直ししていて、臨戦態勢はバッチリ。「みんな、騒ぐ準備はできてますかー!」と客席に向けて檄を飛ばし、ライブは後半戦に突入する。新たにステージ中央に設置された台に足を組みながら座って、どこか艶めかしさを感じさせながらもクールに歌った「DEAD OR LIE」、ゴシック調の劇的なサウンドに主役の陰影の付いた声が映える「Hazy moon」、黒崎みずから赤いギターを弾きながら歌った「君と太陽が死んだ日」と、激しいロックチューンを連発していく。
そしてここからはコンテンポラリーダンスの要素を取り入れたパートへ。哀感たっぷりのギターをイントロに始まった「lily」では、ステージの両サイドから二人のダンサーが登場し、黒崎は時に彼女たちと動きを合わせたり、あるいはステージ前方にうずくまって慟哭のように重く深い歌声を響かせながら、楽曲の世界観を構築していく。続くバラード「種」で黒崎はステップの最上段へと上がり、ステージにはひとりの女性ダンサーが登場。緩急の効いたダンスで楽曲の歌詞や歌に込められた感情に寄り添い、表現していく姿からは、爆発的な生命力が感じられる。最後はステージに降り立った黒崎とダンサーが手を取り合い、歌詞で描かれている〈あなた〉への思いを形にしてみせた。
さらに「Just Believe.」では、女性ダンサーに加えて男性ダンサーがステージに現れ、互いの関係性を深めていく様子がバレエのごとく優雅なダンスによって表現されていく。最初はおびえていた様子の女性が、男性のやさしいエスコートによって少しずつ心を開いていき、時に離れるそぶりを見せながらも、最終的には手を取り合うことに。ラストは手を繋いで一緒にステップを上がり、ステージから去っていく。それは闇の中で希望を見出し、〈君がいる世界〉を〈もう二度と離さない〉と歌う「Just Believe.」の詞世界を拡張するものであり、近年はミュージカルや演技の経験を活かしてステージ演出などに取り入れてきた黒崎らしい、新たな挑戦だったのではないだろうか。
ここで黒崎は一旦退場し、舞台のセットはクリスマス仕様のフォーマルなものから、どこか厳かでロックな雰囲気にチェンジ。再度登場した黒崎もスカートの部分が身軽になってより動きやすそうな格好にお色直ししていて、臨戦態勢はバッチリ。「みんな、騒ぐ準備はできてますかー!」と客席に向けて檄を飛ばし、ライブは後半戦に突入する。新たにステージ中央に設置された台に足を組みながら座って、どこか艶めかしさを感じさせながらもクールに歌った「DEAD OR LIE」、ゴシック調の劇的なサウンドに主役の陰影の付いた声が映える「Hazy moon」、黒崎みずから赤いギターを弾きながら歌った「君と太陽が死んだ日」と、激しいロックチューンを連発していく。
バンドメンバーの紹介を挿み、ライブは最新シングル「Gravitation」でさらなる高みへ。『とある魔術の禁書目録III』のオープニングテーマとして制作されたこのナンバー、煌びやかなシンセフレーズと疾走感のあるサウンド、静と動のコントラストがはっきりと付いた曲展開には気持ちを湧き立たせるものがあり、この日のオーディエンスの熱狂ぶりを見るに、早くもライブの鉄板曲に育っているようだ。さらに黒崎が後ろに結わえた髪を振り乱しながら歌った「SCARS」、曲始めのカウントダウンから爆発的な盛り上がりを見せた「UNDER/SHAFT」、再びギターを手に宮崎やSHiN(ドラムス)のほうへ歩み寄りながら楽しそうに歌う姿も印象的だった「VANISHING POINT」と休みなく披露。「選曲もクリスマスを意識したんですけど、黒崎真音っぽくブラック・クリスマスという感じになりました(笑)」という言葉にもうなずける、まさに激しくも圧巻のラストスパートだ。
ここで2018年の活動を振り返り、今までやってきたいろんなことが新しく実を結んだ一年だったと語る黒崎。その活力の源であるファンのみんなに向けてあらためて「ありがとう」と深くお辞儀して感謝を伝えた彼女は、「この楽しい時間がもっと続けばという気持ちを込めて」と、清廉としたミディアムバラード「story~キミへの手紙~」を歌う。自分にできることの意味、続けることの大切さを歌ったこの楽曲のメッセージは、この日のライブ本編のラストナンバーに相応しいものと言えるだろう。彼女は間奏で「クリスマスプレゼントはいらない! サンタさんもいらない! みんながいてくれればそれでいい!」と言葉にし、終盤にはマイクを通さず生声で「ありがとー!」と直接気持ちを伝える。その心からの叫びを合図にバンドの演奏も一気に加速し、最後はお客さんと〈LALALA〉の大合唱で心を通じ合わせた。
感動的な光景の余韻も束の間、客席からは盛大な「真音コール」が巻き起こり、それに応えて再びステージに舞い戻った黒崎は、ストリングスを効果的にあしらった人気曲「黎鳴‐reimei‐」でアンコールに応える。終盤でのロングトーンにおける力強くも伸びやかなビブラートで真骨頂を発揮し、オーディエンスの興奮も頂点に達すると、続いては「アンコールは元気な曲がいいかなと思って」と4thアルバム『Mystical Flowers』より「BRIGHT FUTURE」を久々にライブで歌唱。台に乗ってクラップを煽りながら、ギラギラしたシンセとダイナミックなバンドサウンドに乗せてパワフルな歌声を響き渡らせる。途中で踏み外して台から落ちてしまう一幕もあったが、すぐに持ち直して、みんなの歓声を糧にするかのように力強さを増していき、最後は「せーの!」でジャンプしてライブを締め括った。
だが、まだまだ黒崎との聖夜を過ごしたいファンたちは「もう一回!」とダブルアンコールを要求。その期待に応えた黒崎は、先ほどの全身黒のコーディネートで統一したライブTシャツ、短パン、タイツという衣装から一転、今度はサンタ風の衣装を着て登場。「着ちゃったよね」「クリスマスライブと言われたらしょうがない」とこぼす真音サンタだが、台に上がって一回転するファンサービスは欠かさない。
そして最後は、7thシングル「楽園の翼」のカップリングに収録されている、黒崎みずから作詞作曲を手がけたナンバー「Wishful☆Garnet」を披露。「明日も明後日もあなたが笑っていますように」というテーマを込めて作ったというこの曲は、彼女の今の気持ちが丸々詰め込まれたものでもあるという。事前にサビの振り付けをレクチャーしたことにより、会場の一体感がさらに増してこの日最高潮の盛り上がりを見せる。〈明日も明後日もあなたを照らしていたい〉と歌う一方で、〈あなたの笑顔に何度となく 救われた〉というフレーズは、彼女自身もファンに救われていることを指すのだろう。その素直な気持ちが表された歌詞と、どこまでも衒いなく響く歌声が、ひとりひとりのファンの心にギフトとなって届く。黒崎の「最後はみんなで飛ぶよー!」の声に合わせてお客さんも一斉に飛び跳ね、黒崎にとって初のクリスマスライブは大団円を迎えた。
ここで2018年の活動を振り返り、今までやってきたいろんなことが新しく実を結んだ一年だったと語る黒崎。その活力の源であるファンのみんなに向けてあらためて「ありがとう」と深くお辞儀して感謝を伝えた彼女は、「この楽しい時間がもっと続けばという気持ちを込めて」と、清廉としたミディアムバラード「story~キミへの手紙~」を歌う。自分にできることの意味、続けることの大切さを歌ったこの楽曲のメッセージは、この日のライブ本編のラストナンバーに相応しいものと言えるだろう。彼女は間奏で「クリスマスプレゼントはいらない! サンタさんもいらない! みんながいてくれればそれでいい!」と言葉にし、終盤にはマイクを通さず生声で「ありがとー!」と直接気持ちを伝える。その心からの叫びを合図にバンドの演奏も一気に加速し、最後はお客さんと〈LALALA〉の大合唱で心を通じ合わせた。
感動的な光景の余韻も束の間、客席からは盛大な「真音コール」が巻き起こり、それに応えて再びステージに舞い戻った黒崎は、ストリングスを効果的にあしらった人気曲「黎鳴‐reimei‐」でアンコールに応える。終盤でのロングトーンにおける力強くも伸びやかなビブラートで真骨頂を発揮し、オーディエンスの興奮も頂点に達すると、続いては「アンコールは元気な曲がいいかなと思って」と4thアルバム『Mystical Flowers』より「BRIGHT FUTURE」を久々にライブで歌唱。台に乗ってクラップを煽りながら、ギラギラしたシンセとダイナミックなバンドサウンドに乗せてパワフルな歌声を響き渡らせる。途中で踏み外して台から落ちてしまう一幕もあったが、すぐに持ち直して、みんなの歓声を糧にするかのように力強さを増していき、最後は「せーの!」でジャンプしてライブを締め括った。
だが、まだまだ黒崎との聖夜を過ごしたいファンたちは「もう一回!」とダブルアンコールを要求。その期待に応えた黒崎は、先ほどの全身黒のコーディネートで統一したライブTシャツ、短パン、タイツという衣装から一転、今度はサンタ風の衣装を着て登場。「着ちゃったよね」「クリスマスライブと言われたらしょうがない」とこぼす真音サンタだが、台に上がって一回転するファンサービスは欠かさない。
そして最後は、7thシングル「楽園の翼」のカップリングに収録されている、黒崎みずから作詞作曲を手がけたナンバー「Wishful☆Garnet」を披露。「明日も明後日もあなたが笑っていますように」というテーマを込めて作ったというこの曲は、彼女の今の気持ちが丸々詰め込まれたものでもあるという。事前にサビの振り付けをレクチャーしたことにより、会場の一体感がさらに増してこの日最高潮の盛り上がりを見せる。〈明日も明後日もあなたを照らしていたい〉と歌う一方で、〈あなたの笑顔に何度となく 救われた〉というフレーズは、彼女自身もファンに救われていることを指すのだろう。その素直な気持ちが表された歌詞と、どこまでも衒いなく響く歌声が、ひとりひとりのファンの心にギフトとなって届く。黒崎の「最後はみんなで飛ぶよー!」の声に合わせてお客さんも一斉に飛び跳ね、黒崎にとって初のクリスマスライブは大団円を迎えた。
最後の挨拶で、2019年の「勝手な目標」はツアーをやることだと語った彼女。3月6日には『とある魔術の禁書目録III』の新オープニングテーマ「ROAR」、3月13日には『グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION』のオープニングテーマ「幻想の輪舞」と、注目のタイアップシングルを2週連続でリリースすることも決まっており、アニソンシンガーを代表する存在のひとりとしてますますの活躍が期待されるところだ。
TEXT: 北野 創(リスアニ!)
PHOTO:中村ユタカ